彼女から教えてもらったこと

ずっとストレスだった。
少女Ａなりに一生懸命働いていただろうに
私は彼女の処理しきれない仕事を抱え込んで毎晩遅くまで煮詰まった。

「ゴールを決めて、それに向かって仕事の配分をしなさい。」

最後に彼女を叱った私の言葉は自分への言葉でもあり、
夜遅くまで働いて寝て働いて寝てを毎日繰り返しながら
ゴールが見えずに疲れが蓄積されていくと、
どうして定時で彼女が帰るわけ？　あなたの仕事を私がしてるのに帰るわけ？
そんなすさんだ気持ちが心の中に生まれ、
グチを言うと、それを聞いた回りが私の目を通して彼女を見るようになった。

「どうしてこんなことができないの！！」「簡単な事務処理すら中途半端じゃん！！」
私の心の中に飲み込んでいた言葉はグチとなって現れ、彼女を追いつめていく。

退職した翌日、手続き等で会社へやってきた彼女が私だけを呼び出して泣きながら言った。
「今まで仕事でたくさん助けていただいてありがとうございます。」って・・・
そんなこと言われると悲しくなるよ。やめてよ。
上手にあなたを育てられなかった私が情けなくなるよ。

グチは陰口となり、そしてそれが相手を追いつめて苦しめることになる。
今まで多くの人の中で働いていた私だったけど、
仕事はいつも一人でこなしていたから、こんなことが分からなかった。

私の横で働いていた彼女の机は空席。
いつもふてくされた様子で仕事をしていた彼女にイライラさせられたけど、
いざ居なくなると寂しいものだ。

私の不満はグチとして話すべきではなかった。
今回、辞めていった彼女の悲しみからそう教えてもらった気がする。
ごめんね。うまくリードできなくて。