かるびのいる夏

荒々しい波に、少し腰がひけているかるびだけど、
もう少し若かったら、たぶん飛び込んでいたかも・・と傍にいてそう思う。

かるびは６月に１７歳の誕生日を迎えた。
若かったころの月日は、何の心配もせずに元気な日々で、
当たり前のように幸せな時を過ごしていたけど、
年老いた犬の時間は、短時間で変化が目に見えてくる。

つい先月までできていたことが、１か月を過ぎたころにできなくなって、
えっ？と思う瞬間、ああ、これが年をとるということかと切なくなる。

今、かるびのいる夏を過ごしている。
でも、いつか、かるびは私のそばを駆け抜けて行ってしまうだろう。
それが近い将来であることは分かっているけど、
かるびのいる夏、かるびのいる秋、かるびのいる冬、そして春と
四季折々、かるびとの時を織り込んで過ごしていきたい。